3歳から7歳の乳歯矯正

歯並びに何らかの問題を抱えている子どもが増えています。歯並びは生涯にわたってかみ合わせに影響するため、幼少児期より行う「歯列育形成」が注目されています。
「歯列育形成」には、歯並び以外にもさまざまな利点が期待できます。

自覚のない少しのズレでもかみ合わせ全体に影響

特に矯正してなくても、見た目はきれいな歯並びの人は大勢います。しかし、奥歯まで歯型をとって上下を合わせてみると、どこかに問題が見つかる人は少なくありません。
あごのわずかなズレなどは、本人も自覚していないことが多いのです。しかし、部分的に歯の位置や傾斜角度がずれていたり、重なりやねじれが少しでもあると、かみ合わせ全体に影響をおよぼします。

子どもの場合も、状況は異なりますが、不正がわずかで乳歯列期(乳歯だけの年代)にははっきり現れないこともあります。しかし、かみ合わせの状態や乳歯列弓の形を調べパノラマレントゲンその他の診査をすると、将来まったく問題がないとみられる乳歯列は、かなり少ないのです。「歯列育形成」は、将来永久歯列にわずかでも問題が生じないように、初めから正しく配列していく方法です。

通常は3~7歳ぐらいの幼小児期から、歯並びとかみ合わせの継続管理・処置を行っていきます。具体的には、おもにプレートと呼ばれるプラスチックの器具を、夜間や昼間の決められた時間、歯に付けて使用します。

子どもがいやがるのでは?」という心配は、まったく不要です。コミュニケーションを通してその子に応じた動機づけを行いますので、どの子も得意になってプレートを人れてくれます。

歯列育形成の手順は、まず乳歯列弓の形を整え、あごの位置関係を厳密に正しくして、永久切歯が生えるときにはプレートによってそれらがきれいに配列するように処置を行います。

小学3~4年生の頃には上下の切歯4本ずつが生えそろいますが、乳歯列期から歯列育形成を始め、継続している子は、上下4本の切歯がきれいな形に配列し、確実に正しいかみ合わせになっていきます。このように、小学生ですでにどの子もきれいな歯並びでいられることも歯列育形成の特徴です。その後もきれいな状態で継続管理を行い、永久歯のかみ合わせが完成するまで、ときどき来院してもらいます。

乳歯の配列を正しくすれば顔の骨格までが整ってくる

早期から始める歯並びの処置には、ほかにも利点があります。低年齢でまだ乳菌(小学校低学年では乳犬歯・乳臼歯)がしっかりしているうちは、乳歯の位置を移動させることで、歯槽基底まで変化を与えることができます。歯槽基底とは、並んでいる歯の根元あたりの、骨のベースになっている部分です。

つまり、乳歯の矯正で骨格形までよい形にできるのです。眼窩のすぐ下に上顎骨、上顎骨の下は下顎骨ですから、顔の大半はあごの骨からできているとも言えます。目から下の骨全体がよい形をしていれば、その人の眼は美しく表現されます。

つまり、低年齢のうちから、かみ合わせを良い状態にし、その状態から発育していけば、自然に形成された美しい歯並びとなるだけでなく骨の形も標準に近づくので、女の子は美しい表情の顔となり、男の子は整ってしっかりした顔になります。

歯列育形成は、期間は長くなりますが、この間、歯科医が責任をもって継続管理をするため、むし歯予防を行うこともできます。

子供たちが、美しい心身ともに健やかな人間形成をめざすための1つの手段として、歯列育形成が注目されています。

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