歯周病とは

歯周病は歯の病気ではなく、歯肉(歯ぐき)や歯槽骨(あごの骨)など、歯の周囲組織の病気です。

歯周病は細菌によって引き起こされる感染症です。

自然に治ることはなく、治療しなければ確実に進行していきます。 口の中には数百種類・数千億個の細菌がいるといわれています。

歯周病菌はその中でもポルフィロモナス・ジンジバリスを代表に20種類程度が特定されています。
これらの細菌は歯垢を絶好のすみかにしてどんどんふえていきます。 歯周病は、まず歯肉が炎症を起こす歯肉炎から始まります。

歯肉に炎症が起きてはれると、歯と歯肉との間の溝(歯肉溝)が深くなります。これを歯周ポケットといいます。歯周ポケットにはプラーク(歯垢)がたまりやすく、かつ取り除きにくくなります。

また、歯周ポケットの奥には酸素が届きにくいので、酸素を嫌う性質の歯周病菌(嫌気性菌)が繁殖しやすくなります。 歯肉炎を放置しておくと炎症が歯根膜や歯槽骨まで広がり、歯周炎と呼ばれる段階になります。さらに進行すると炎症によって歯槽骨が溶けていきます。そして、ついには支えを失った歯が抜け落ちてしまうのです。

さらに、歯周病は歯や歯周組織を失うばかりでなく、さまざまな全身疾患と密接に関係していることがわかっています。

①正常な歯

②歯肉炎状態

③歯周病進行

④重度歯周病

歯周病の年齢別発生率
厚生労働省では、国内の歯科保健状況を把握し、今後の歯科保健医療対策の推進に必要な基礎資料を得るため6年間隔で「歯科疾患実態調査」を行っています。
 
その資料に、年代別の歯周病の状況を表すグラフがあります。
 
歯周病(4mm以上の歯周ポケット)を有する者の割合
グラフをみて分かるように、歯周病は
20代後半から増加傾向にあり、
40代後半で加速し、
60代後半から歯周病によって歯を失うため、減少していきます。
 
大切な歯を失う前に、早期治療と定期健診を!

歯周病の原因とは

直接の原因はやはりプラーク(歯周病菌)と歯石

プラーク(歯垢)が歯周病を引き起こす直接的な因子です。
歯肉炎、歯周病はプラークを取り除くことにより改善していきます。プラークは、食べ物のカスのように思われている方がいますが、実際は、歯周病菌や虫歯菌がつくり出した自らを守るためのネバネバしたバリアーです。
 
このプラークが体液中のカルシウムを取り込んで石灰化していくと歯石となり、さらにプラークの温床となります。
プラーク1mg中に1億個以上という数の微生物が存在するといわれ、そのなかの歯周病菌や虫歯菌が排出した酸によって歯や歯肉、歯槽骨などが破壊されていきます。

歯周病菌の活動を促す局所的因子

外傷性咬合

口呼吸

食生活

歯周病を進行させる全身的因子

ストレス

喫煙

若年性
歯周炎

妊娠

骨粗鬆症

歯周病の自覚症状

  • 歯をみがくとき歯肉から血が出る
  • 口臭がある(人から言われたことがある)
  • 歯の間に食べ物が挟まりやすい
  • 起床時に口の中がネバネバして不快である
  • 歯肉がむずがゆいときがある
  • 歯が浮いた感じがする
  • 歯肉が赤く腫れていて痛みがある
  • 歯肉を押すと血や白く臭い膿が出る
  • 歯が以前より長くなったような気がする
  • 冷たいものでよく歯がしみる
  • 歯がグラグラ動く感じがする

歯周病は、初期段階では目立った自覚症状がありません。
しかし、ゆっくりと確実に進行していきます。
激しい出血や痛み、歯がゆれるなど、明らかな自覚症状がでるころには、重度の歯周病になっていることもめずらしくありません。
早い段階で歯周病検診をうけましょう。

歯周病と全身疾患

歯周病は全身の健康とも関係があります

最近では歯周病は口の中だけではなく、歯周病の原因菌が口から体内に侵入することで、全身の健康に影響を及ぼすことがわかってきました。

体内に細菌が侵入する経路のほとんどは、口を通して起こります。口の中をきれいにすることは、全身の健康にもつながります。

米国歯周病学会の報告では、歯周病にかかっている人が心臓発作を起こす危険度はそうでない人の2.8倍、脳卒中は3倍といわれています。
歯周病のある人の早産の率はなんと7.5倍も高いそうです。

また、重い歯周病がある人ほど動脈硬化があることもわかっています。
ほかにも呼吸器疾患や関節炎、糖尿病などさまざまな全身の病気の発症や進行にかかわっています。

とくに糖尿病との関係はよく知られており、糖尿病の人が歯周病にかかりやすいこと、反対に、歯周病菌が血糖値をコントロールするインスリンの働きを阻害するという相互の影響が知られています。

脳梗塞

重度の歯周病がある場合は、歯周病のない人に比べて脳梗塞を発症する危険が高いことが報告されています。

誤嚥性肺炎

高齢者、特に寝たきりの方など体力が衰弱している人は、嚥下機能も弱っているため、歯周病原菌などが肺に進入して肺炎を起こす危険が高くなることが報告されています。

細菌性心膜炎

お口の中の歯周病原菌は組織に対して付着能力の高いものもあるため、心臓の弁やその周囲に感染して心膜炎を起こす危険が高くなることが報告されています。

狭心症・心筋梗塞

重度の歯周病のある人ほど狭心症や心筋梗塞などの冠状動脈硬化による心臓疾患になる危険が高くなることが報告されています。

低体重児出産

重度の歯周病をもつお母さんは、健康なお母さんに比較して低体重児出産の可能性が高くなると報告されています。

糖尿病と歯周病

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの欠乏や不足により、高血糖状態が続くことで血管障害を起こす病気です。患者は約700万人ともいわれ、40歳以上では10人に1入ともいわれる現代の国民病のひとつです。

また、糖尿病は合併症の多い病気であり、糖尿病性睡眠に代表される急性合併症から、神経障害・賢症・網膜症のような慢性合併症までいろいろあります。そうした慢性合併症の中で、かなり高頻度にみられるものに口腔合併症があり、その代表的なものが重度の歯周病と多発性のむし歯です。

どうして口腔合併症が生じるかですが、糖尿病患者はその代表的症状に口渇(のどの渇き)があり、唾液分泌量が減少します。唾液分泌量が減少すると、口腔の自浄作用の低下により歯周病やむし歯の原因である細菌が繁殖します。さらに、糖尿病患者は血中だけでなく唾液の糖分濃度も高くなり、原因菌の繁殖が助長されます。

繁殖した歯周病菌は体内に入って血糖値をコントロ-ルするインスリンの働きを阻害するという悪循環を起こすのです。定期的に歯科医院で口腔診査を受けることをお勧めします。

薬で治す歯周病

歯周病が薬で治る!?

歯周病治療といえば昔から歯磨き指導と歯石を除去したりする歯のまわりのお掃除がどの歯科医院でもされている基本的な治療です。しかし、この基本的治療をしても、一生懸命歯磨きしても、なかなか歯肉の炎症が取れず、歯肉の腫れや出血・口臭で悩まれ、歯周病で歯を失う方がおられることも事実です。

ところが、簡単に薬で治す方法がみつかったのです。原因である菌を特定し、薬でその菌を退治する事ができるようになったのです。この治療法は21世紀に入ってから行われている方法で最新式の治療方法「顕微鏡を使った歯周内科治療」です。

歯周内科治療の治療方法

この治療方法には4つの大きなポイントがあります。

  • 位相差顕微鏡での菌の確認
  • 細菌の除去薬剤の内服
  • カビの除去薬剤、あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
  • 除菌後の歯石とり

特に1は、非常に大きなポイントです。
位相差顕微鏡でお口の中の菌を確認しなくてはなりません。歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。

位相差顕微鏡検査

顕微鏡検査では歯周病菌やカビ菌がほとんどの方に見られます。
われわれは患者さんのお口の中の汚れをほんの少し採取し、それを顕微鏡で観察します。
顕微鏡で見ることで、今現在の菌の状態を確認することができ歯周病になりやすいかどうか、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかがわかってきます。
さらに映し出された動画像を拡大表示する機能を用いることで治療効果のよりわかりやすい説明を聞くことが可能です。

忘れてはいけないポイント

  • 歯周病菌は人から移る感染症である事
  • 歯周病菌が全身の病気にも関係している事
  • カビが増えてくると歯周病になりやすくなる事
  • カビが歯周病菌の住処である事
  • カビは虫歯も作るという事

キレイなお口を維持するために

  • 検診で菌を確認する
  • 定期的に歯石やカビを歯科医院でとる
  • 家での歯磨きをきちんと続ける
  • 人から菌をもらわないように注意する
PMTCプロによる歯の清掃
毎日きれいに磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所、汚れがたまりやすい所があります。PMTCにより、歯垢・歯石・着色・汚れを除去し、歯肉の状態を改善します。
患者さんご自身の毎日のホームケアの指導もいたします。
PMTCと毎日のホームケアで、歯の健康を維持しましょう。
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