めぐみ歯科医院
TEL 0465-85-0008
神奈川県足柄上郡大井町上大井104-1

口腔外科

口腔外科とは

お口の中や顎には歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生します。
例えば、「口内炎が治らない」「親知らずが腫れる」「アゴが痛くて開かない」などです。また交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患のほかにも、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。
 
これらは、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。そのお手伝いをするのが口腔外科です。

どんな病気を治療するのですか?

埋伏歯(まいふくし)

永久歯では乳歯に比べ、萌出に関連した異常がおこることが多いものです。先天的な欠如に加え、歯があるのに顎骨のなかに埋まったままで萌出しない(埋伏歯)場合も少なくありません。とくに智歯(ちし:親知らず)では、埋伏歯である場合の頻度が高く、しばしば抜歯の必要があります。
智歯は退化傾向が強く、生える時期も極端に遅く、さらに最も奥に生えてくるなど、萌出に伴う障害を受けやすく、高頻度に萌出異常をおこします。先天的に欠如する頻度も高く、萌出してこなくても異常とはいえません。また埋伏(埋伏智歯)することも多くみられます。下顎(かがく)の智歯ではたとえ萌出しても傾斜したり、水平位に半分埋伏(半埋伏)したりすることはよく知られています。

口腔外科1口腔外科2
【治療】

智歯の傾斜や水平位の半埋伏は、第二大臼歯の後ろの面を不潔にし、放置すると深部にう蝕(むし歯)をつくります。また、智歯のまわりは不潔になりやすく、しばしば炎症をおこします(智歯周囲炎)。このため、このような状態の智歯は通常抜歯の対象となります。
埋伏智歯も歯列異常や咬合(こうごう:噛み合わせ)異常をひきおこす可能性があり、またときとして、顎の骨のなかを通る神経を圧迫し、三叉神経痛(さんさしんけいつう)の原因となることもあります。さらに埋伏智歯から嚢胞(のうほう)や腫瘍(しゅよう)が発生することもまれにあり、抜歯するのを原則とします。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯(親知らず)の萌出(ほうしゅつ)に際してみられる歯冠(しかん)周囲の炎症をとくに智歯周囲炎と呼び、智歯の萌出時期である、20歳前後の若い人に発生する頻度の高い疾患です。

最も遅く、また最も後方に萌出する智歯は、萌出異常をきたし、完全萌出せず歯肉が歯冠を部分的におおったままになりやすいため、不潔で、歯肉の炎症をおこしやすくなっています。智歯周囲炎が周囲の軟組織や顎骨(がっこつ:あごの骨)に波及して顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあります。

【治療】

抗菌薬や消炎鎮痛薬を投与し、うがい薬などを併用して消炎させた後、余分な歯肉を切除(歯肉弁切除)したりしますが、萌出位置の異常があったり、炎症をくり返しているような場合は、智歯を抜歯します。

膿瘍(のうよう)

組織のなかに膿がたまった状態のことを膿瘍といいます。

う蝕(むし歯)や歯周病(歯槽膿漏しそうのうろう)など歯が原因で感染し炎症をおこしてできる場合がほとんどで、膿汁内には白血球や感染菌の残骸、組織の破壊・壊死物質、滲出液の混ざったものが含まれます。できた場所により、歯槽膿瘍、頬部膿瘍、顎下膿瘍、口底膿瘍などと呼ばれます。

歯の外傷(がいしょう)

歯を強くぶつけると、いろいろな外傷をおこします。受傷原因としては、滑って転んだり、階段から転落したり、けんかや交通事故などがあげられます。また、幼児や学童では、遊戯中の転倒や子ども同士の衝突が多く、成人では、硬いものを噛んだことが原因になることもあります。歯の外傷では治療後、何年もたってから歯根の先に病巣をつくったり、歯根の吸収や動揺をきたして脱落することもあるため、定期的に検診を受ける必要があります。

 歯の打撲(だぼく)

歯をぶつけた時など、歯や歯槽骨(しそうこつ)に目立った外傷もなく、単に一時的に歯根膜(しこんまく)の炎症のみをおこした場合をいいます。

【治療】

安静にしていると、数日から1~2週間で治癒します。多くの場合、痛みを伴うため消炎鎮痛薬を必要とします。

歯の亜脱臼(あだっきゅう)
(不完全脱臼ふかんぜんだっきゅう)

外傷により歯が少し抜けかかったもので、歯根膜の一部が断裂して歯が動揺し、さわると痛みを訴えます。歯根の先端で歯髄(しずい)が断裂し、のちに歯髄壊死(しずいえし)をおこすことがあり、長期の経過観察を必要とします。

【治療】

細いワイヤや接着性レジンを用いて、短期間、歯を固定します。歯髄壊死の診断には歯髄電気診断器を用います。

歯の完全脱臼(かんぜんだっきゅう)

歯が歯槽(しそう)から完全に抜けて歯根膜が断裂した状態をいいます。
また、歯が抜け落ちた場合は脱落といい、幼児や学童の外傷ではしばしばみられます。

【治療】

歯を歯槽内に固定することにより、完全脱臼した歯でも助けることができます。また、脱落した歯でも、再植することにより元通りになる場合もあります。このためには脱落歯をできるだけ早くもとに戻すことが重要で、汚れが少ない場合には、脱落歯を水道水でよく洗いその場で再植してもよく、また歯科医を受診する場合は、歯を乾燥させないように口のなかに含んだり、牛乳の中に入れておくとよいとされています。このような応急処置は、幼児や学童をもつ保護者は覚えておくとよいでしょう。

 歯の破折(はせつ)

外傷や咀嚼(そしゃく)によって、歯に亀裂が入ったり、歯が折れたりすることをいいます。硬い食べ物をかんだとき、臼歯(きゅうし)が垂直に割れて痛むことがあります。破折の診断はつけやすいのですが、亀裂の場合は、原因不明の痛みとして扱われることもあるので注意が必要です。

【治療】

歯冠(しかん)の一部が欠けた場合には、レジンや金属(インレー)でもとどおりに修復します。歯冠が大きく割れて歯髄(しずい)が露出しているような場合には、歯髄を除去(抜髄ばつずい)し、根管治療を行なった後、歯冠を修復します。歯根が大きく折れたような場合は、保存は困難で通常抜歯になりますが、条件がよければ保存できる場合もあります。

歯の嵌入(かんにゅう)

歯が受傷したときに、歯槽のなかにめり込んだ場合をいいます。本来の位置にもどし、固定すれば多くは保存できます。ただし、後日、歯髄壊死(しずいえし)がみられたなら根管治療が必要となります。

軟組織の外傷

口や顔の軟らかい部分、いいかえれば皮膚や粘膜にみられる外傷の総称です。また、顎骨(がっこつ:あごの骨)の骨折にもしばしば合併します。代表的なものとしては、顔面皮膚のすり傷(擦過傷:さっかしょう)、口唇(こうしん)の裂傷、舌や頬粘膜(きょうねんまく)の咬傷(こうしょう)、軟口蓋(なんこうがい)の穿孔(せんこう)があげられます。

【原因】

転倒、転落、交通事故、スポーツ、けんか、誤って噛む(咬傷)などがあげられます。また、幼児が箸(はし)などをくわえて転倒した時には口蓋の穿孔をおこすことがあります。

【症状】

共通する症状としては、出血があります。受傷時にはかなりの出血がみられますが、太い血管を直接損傷しないかぎり、圧迫や時間経過とともに止血するのがふつうです。一方、腫れや痛みは時間経過ともに強くなります。交通事故では、傷のなかにガラス片や金属片などの異物が混入していることがあります。知覚神経が切断されると麻痺(まひ)が生じたり、顔面神経を傷つけると顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ:顔の筋肉が動かなくなる)が生じます。時間の経過とともに感染がおこり、傷が汚くなることがあります。

【治療】

出血している場合には、まず清潔な布やガーゼで傷口を圧迫して止血を行います。そして医師や歯科医師の診察を受け、消毒後、縫合(ほうごう)処置を受けます。傷のなかには異物が混入していることもあるため、縫合の前には精査が必要です。
処置後は、感染を予防するために、抗菌薬を服用する必要があります。感染すると、治癒後傷あとが目立つようになります。土で汚染された傷では、破傷風(はしょうふう)を予防するための処置を要すこともあります。

顎関節症(がくかんせつしょう)

顎を動かしたときの痛みや関節部の雑音、さらに顎の運動がスムーズでなく、ひっかかったような異常な運動をする、などの症状がみられる症候群をいいます。現代のストレス病の一つにも数えられるほど患者数は増えています。

【原因】

ほとんどの場合、過度の開口(あくびなど)や、硬いものを咬んだことがきっかけで発症しますが、真の原因は、噛み合わせの異常によって顎関節(特に関節円板) が傷ついたり、顎の運動に関与する咀嚼(そしゃく) 筋の連携に支障をきたすことによります。また、背景に精神的ストレスからくる顎関節周囲の異常な緊張が関与していることもあります。

【症状】

女性にやや多く、20才代と40才代以降に多くみられます。顎を動かすと顎関節が痛んだり、雑音がしたり、顎関節周囲の筋肉や靭帯(じんたい) の圧痛など、顎の運動異常を主症状とし、重症になると開口障害や咀嚼障害をひきおこし、首や肩がこったり、腕に症状が出ることもあります。

【治療】

消炎鎮痛薬(しょうえんちんつうやく)や筋弛緩薬(きんしかんやく)を主にした薬物療法、噛み合わせの調整、各種のスプリント(コンパクトなマウスピース様のもの) による保存療法が主体です。関節円板の位置がずれている時には、徒手的に円板の整位を行い、さらに関節腔洗浄や関節内に液を入れ整位することなどが行われます。筋のマッサージや開口訓練等のリハビリを継続的に行うことも治療法の一つです。
保存療法が奏効しないものに対しては、関節鏡視下剥離受動術(かんせつきょうしかはくりじゅどうじゅつ)や外科的に開放術を行うこともあります。また、噛み合わせのずれが大きい場合には、手術を伴った矯正治療が必要となることがあります。

顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)

顎関節は外耳道の直前にあり、下顎はそこを支点として運動をしています。この関節は単なる開閉運動のほかに、左右の関節で滑走運動も行なつているのが特徴で、これによって顎を上下左右に、自由に動かすことができます。しかし、あくびをしたり、歯科治療や気管支鏡検査などの際に大きく口を開けると、正常な可動域を越えて、関節が外れて口が閉じられなくなることがあります。これが顎関節脱臼です。
脱臼がちょっとしたことでおこり、習慣性になってしまうこともあります(習慣性脱臼しゅうかんせいだっきゅう)。

【症状】

面長の顔となり、上下の唇が閉じられなくなり、顎関節部に痛みや緊張感がみられます。耳前の顎関節部は陥凹し、その1~2cm前方が隆起します。

抜歯(ばっし)

抜歯は顎の骨に生えている歯を抜くことですから、立派な手術の一つです。麻酔は全身にある程度の影響を与えるため、なにか病気をもっている人(有病者)、とくに心臓病や高血圧症などの循環器疾患、肝臓病、糖尿病、血液疾患などをもっている人は注意が必要です。
健康な人でもその日の体調によって気分が悪くなったり、血圧低下を起こしたりすることがあるため、抜歯の前日は十分睡眠をとり、万全の体調の下で抜歯を受ける必要があります。

また、抜歯前には出血傾向(出血をおこしやすい状態)にも注意する必要があります。とくに心臓疾患の際に使用する薬のなかには、血液の凝固を抑制し血液を固まりにくくする薬剤が含まれていることが多く、このような人では、担当医と十分相談してから抜歯を行なうなどの配慮が必要です。
抜歯中は精神的緊張や局所麻酔薬の影響、とくにそのなかに含有されている血管収縮薬(けっかんしゅうしゅくやく:エピネフリン)の作用や痛みなどで血圧や脈拍数に変化が起こります。緊張したり興奮したりすると、からだの中からもエピネフリンが過度に分泌され、全身異常を起こしやすくします。
抜歯後は患者自身が注意しなければならないことが多いため、注意事項を書いたパンフレットが用意されているのが普通です。よく読んでその指示に従いましょう。なにか異常が起こった場合には、できるだけ早めに電話などで相談するとよいでしょう。

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

歯根端切除術とは歯根の先に歯根嚢胞(しこんのうほう)や歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)などの根尖病巣があり、根管(こんかん:歯根の部分で神経や血管が存在する部)の処置だけでは治癒が期待できない場合や、すでに支台や支柱が根の中に入っていて再度の根管治療が困難な場合に、外科的に根尖病巣の除去と同時に歯根の尖端の切除を行う方法で、歯としての機能を残すことができます。
術後は抜歯後と同様の注意をし、予防的に抗菌薬、消炎鎮痛薬、うがい薬を投与します。なお、根尖病変が治癒するまでは約3か月ごとに診査を行います。通常、骨は約6~9か月で修復されます。

歯槽骨整形術(しそうこつせいけいじゅつ)

歯槽骨(しそうこつ)とは歯を支えている範囲の骨の部分をいいます。抜歯後に抜歯窩が治癒したあと、歯槽堤(しそうてい)は平滑となり義歯の装着に不都合はないものですが、ときには歯槽堤に骨の鋭縁や隆起が残り義歯の装着が困難なことがあります。
歯槽骨に鋭縁や隆起などの異常部位があるために、安定した義歯の装着ができない場合、異常な歯槽骨形態の整形を行い、義歯の維持安定をはかり、咀嚼や発音などの口腔機能の回復を目的として行う手術が歯槽骨整形術です。
術後はとくに問題となることはありませんが、粘膜の剥離が広範囲に及ぶ場合には、感染予防のために抗菌薬、消炎鎮痛薬を投与します。抜糸は1週間後に行います。

デンタルインプラント(人工歯根(じんこうしこん))

抜歯したり、あるいは自然に脱落したりして歯がなくなると、従来はブリッジや入れ歯を入れることにより機能を補ってきました。しかし最近では、いわば人類の夢であるデンタルインプラントも徐々に普及しつつあります。
現在デンタルインプラントの材質としては骨と一体化するチタンが主流となっています。また、骨との親和性にすぐれているヒドロキシアパタイト(人工的に合成された骨や歯の成分)を、チタンの表面にコーティングしたものも用いられています。
デンタルインプラントを入れるためには手術が必要となります。また、デンタルインプラントを成功させるためには、歯周病や補綴(ほてつ)に関する幅広い知識と技術が要求されます。したがって、十分な経験と技量をもつ歯科医師のみが行ないうる治療法といえます。
一方、デンタルインプラントの植立後は、良好な状態を維持するために厳格な口腔清掃が必要です。これが長期間の予後(よご)を左右する重要な鍵となります。したがって、手術を受ける患者にもそれなりの心がけが必要となります。

詳しくは、インプラントのページを参照して下さい。

次の病気の場合は大学病院等を紹介します。

非歯原性良性腫瘍(ひしげんせいりょうせいしゅよう)

歯に関係のない良性腫瘍は、からだのほかの部分にできるものと同じと考えられます。良性腫瘍の種類はきわめて多く、口腔、顎、顔面にもこれら多くの種類の腫瘍が発生します。上皮性の乳頭腫、非上皮性の血管腫、リンパ管腫、筋腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫、線維腫、および神経系の腫瘍などが基本的なものですが、さらに病理組織的に変化したものも加わりきわめて多種の腫瘍があります。
それぞれ特徴があり診断は比較的容易です。一部の血管腫やリンパ管腫以外は、摘出あるいは切除を行います。

顎骨炎(がっこつえん)

う蝕(むし歯)が進行すると、歯髄の炎症である歯髄炎(しずいえん)をおこします。歯髄炎の後、歯髄壊疽(しずいえそ)をおこし、根尖孔を通じて感染が歯周組織へと広がった状態を根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)といいます。根尖性歯周炎は、歯根の尖端部周囲に限局した炎症ですが、進行すると、歯槽骨炎(しそうこつえん)やさらに広範な顎骨炎などに進展します。感染の広がりとともに症状も顕著となり、局所の発赤(ほっせき)や腫脹(しゅちょう)、疼痛(とうつう)に加えて、発熱などの全身症状を伴うようになります。

重症例では、感染は顎骨(がっこつ:あごの骨)から周囲の口底や顎下部、頸部へと波及し、急性の化膿性炎症(かのうせいえんしょう)をおこします。これを蜂窩織炎(ほうかしきえん)といいます。さらに重症な場合、上顎では眼窩(がんか)や脳へ波及したり、下顎では頸部を経て縦隔炎(じゅうかくえん)をおこしたり、まれに、最も重症である敗血症(はいけつしょう)をおこして致命的となることもあります。このような感染の重症化は糖尿病(とうにょうびょう)などのように免疫力が低下している状況でおこりやすくなります。

顎骨骨髄炎(がっこつこつずいえん)

顎骨骨髄炎は上顎、下顎いずれにも発生しますが、下顎骨、特に臼歯部に多くみられます。
原因は、歯が原因で感染したもの(歯性感染)から、嚢胞や腫瘍の二次感染によるものまであります。局所要因のみならず、広義の栄養障害、生体の免疫能の低下、代謝障害などが背景にあることもあります。特に頭頸部(とうけいぶ)領域の悪性腫瘍に対する放射線治療後、顎骨(がっこつ:あごの骨)の細胞活性能が低下した状態での感染が原因となる骨髄炎を放射線性骨髄炎(ほうしゃせんせいこつずいえん)と呼んでいます。

ビスフォスフォネート関連顎骨壊死
(びすふぉすふぉねーとかんれんがっこつえし)

ビスフォスフォネートは腫瘍随伴性高カルシウム血症および多発性骨髄腫、乳がん、前立腺がんなどの骨転移(こつてんい)、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に対して投与され、骨関連事象の予防や治療、骨痛の軽減、がん治療により誘発される骨量減少の改善など有効性の高い薬剤です。しかし、その副作用として、抜歯や歯周
治療などを契機に顎骨壊死(がっこつえし)が生じることがあります。

症状は、痛みを伴う持続的な骨露出、顎が重い感じやしびれ感、歯肉の腫脹や排膿、歯の動揺などですが、痛みを伴わず無症状のこともあります。進行すると痛みや感染が増悪し、病的骨折(びょうてきこっせつ)をおこしたり、皮膚瘻孔(ひふろうこう)を形成します。

歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)

上顎のう蝕(むし歯)や歯周病をひき起こした細菌による炎症が上顎洞(じょうがくどう)に波及することがあります。これを歯性上顎洞炎(歯が原因の蓄膿症)と呼びます。上顎洞は上顎の歯根と接近しているため、う蝕(むし歯)や歯周病を治療しないで放置していると、歯性上顎洞炎になることがあります。

急性の場合には、歯痛に続いて、悪臭を伴う膿を含む鼻汁や頬部の痛みがでます。慢性の場合には、歯の痛みは比較的少ないようです。鼻性は両側にみられますが、歯性は片側だけに起ることが多いようです。上顎洞炎の治療と原因歯であるむし歯や歯周病の治療を同時に行う必要があります。

エナメル上皮腫

歯原性腫瘍のなかで、最も頻度の高い腫瘍です。腫瘍の一部あるいは大部分が嚢胞(のうほう)のようになっていることもあります。
顎骨(がっこつ:あごの骨)のなか、とくに下顎の後方部に発生し、大きくなると顎骨が膨隆し、顔貌(がんぼう)も変化します。

【原因】

主として歯胚(しはい:歯の芽)のなかのエナメル器と呼ばれる部分が腫瘍化することにより生じます。

角化嚢胞性歯原性腫瘍
(かっかのうほうせいしげんせいしゅよう)

かつては歯原性角化嚢胞(しげんせいかっかのうほう)として、嚢胞に分類されていましたが、腫瘍性の進展を示すことが多いため、現在は腫瘍として分類されています。顎骨(がっこつ:あごの骨)のなか、とくに下顎角部から下顎枝部に下顎の智歯の欠如とともに発生することが多いとされています。

【原因】

主に歯胚(しはい:歯の芽)組織が嚢胞化することにより生じます。

歯牙腫(しがしゅ)

歯牙腫は、歯胚(しはい:歯の芽)の形成異常から生ずる組織の形態異常で、厳密には真の腫瘍とはいえません。一般に集合性歯牙腫と複雑性歯牙腫とに分類しますが、いずれも腫瘍のなかに歯の組織を含んでいるのが特徴です。
無症状なために、エックス線検査で偶然発見されることが多いようです。腫瘍はゆっくり発育しますが、大きくなると顎骨が膨隆したり、歯の位置が異常になったりします。

口腔領域の悪性腫瘍(口腔がん)

悪性腫瘍は、上皮性の癌腫(がんしゅ)と非上皮性の肉腫(にくしゅ)に分けられます。口腔領域では肉腫も発生しますが、きわめてまれで、ほとんどは癌腫で粘膜の上皮から発生する扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)といわれるものです。
口腔がんは、さらにそのできる部位によって口唇(こうしん)がん、舌がん、口底(こうてい)がん、歯肉(しにく)がん(上顎歯肉がん、下顎歯肉がん)、頬粘膜(きょうねんまく)がん、硬口蓋(こうこうがい)がんなどに分けられます。これらのうち、舌がんの発生頻度がもっとも高く、口腔がんの約40%を占めます。そのほかには唾液腺(だえきせん)から発生する腺癌(せんがん)などもみられます。
以上のように、一口にがんといってもいろいろな場合があります。しかし、一般的に質(たち)のよい腫瘍に比べて、質のわるい腫瘍には、①病気の進行が速く、できもの(潰瘍、腫瘤)が速く大きくなる、②できものの周りが硬い、③周囲と癒着していて、境界がはっきりしない、④他の部位に転移する、などのような共通の性質があります。

【原因】

他のがんと同様に不明ですが、喫煙、飲酒、う蝕(むし歯)や合っていない義歯などが慢性的に粘膜を刺激することなどの関与が疑われる症例も少なくありません。また、前がん病変(正常粘膜と比べてがんになる可能性が高い病変)である白板症(はくばんしょう)から生じたと思われるものもみられます。

【症状】

50歳以上の男性に好発し、発生する部位や病期(がんの進行度)により、症状はさまざまです。がんの表面の特徴からは白斑(はくはん)型、肉芽(にくげ)型、腫瘤(しゅりゅう)型、びらん型、潰瘍(かいよう)型、粘膜下硬結型などに分けられています。
いずれもみた目に汚く、しこり(硬結こうけつ)があり、ときに出血や痛みを伴います。
病期が進むにつれて咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、さらに発音が障害されるほか、口が開けづらくなったり(開口障害)します。また、リンパ流に沿って頸のリンパ節に転移し、リンパ節が腫れたりします。さらに進行すると、肺、骨、肝臓など他の臓器に転移し、全身的な症状をおこすようになります。

悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)

50歳以上の中高年齢者に発生することが多く、男女差はありません。硬口蓋と上顎歯肉に発生することが多いのですが、下顎歯肉や頬粘膜などにも生じます。
さまざまな形や大きさの黒褐色腫瘤として認めますが、着色が明らかでない場合もあります。

また、リンパ行性あるいは血行性の転移が多く、予後(よご)は極めて悪いものです。治療はリンパ節の郭清(かくせい)を含めた外科手術が主ですが、放射線治療や化学療法なども補助的に行われます。

悪性リンパ腫(あくせいりんぱしゅ)

悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(いわゆる“がん”)です。悪性リンパ腫は病理所見から、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。また、腫瘍細胞の性格から、T細胞性、B細胞性、NK細胞性に分類されます。日本人の悪性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫が圧倒的に多く、かつB細胞性リンパ腫が多いのが特徴です。

悪性リンパ腫では、リンパ節に発生したものを節性、リンパ節以外の臓器組織に発生したものを節外性と区別していますが、わが国では節外性リンパ腫が40~50%を占め、組織学的にはび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫が多く、ホジキンリンパ腫や濾胞性(ろほうせい)リンパ腫はまれです。

顎口腔領域では節外性リンパ腫の占める割合が高く、歯肉、上顎洞、顎骨に多くみられます。その臨床症状は多彩で、腫脹あるいは腫瘤、潰瘍を形成したり、疼痛、歯の動揺、鼻づまりなどを伴いますが、これらは悪性リンパ腫に特徴的な所見ではないため、生検(せいけん)による組織診断が不可欠です。

節性では頸部や顎下リンパ節が無痛性、孤立性あるいは多発性に腫大します。これらは急速に腫大し、大きな腫瘤となります。また周囲組織と癒着したり、極度に増大すると嚥下(えんげ)障害や呼吸困難などの症状を呈します。
治療は、血液内科などと共同で複数の抗がん剤による化学療法や放射線治療が単独あるいは組み合わせで行われます。

顎変形症(がくへんけいしょう)

顎の発育異常で、顔面形態の異常や機能障害を伴うものを顎変形症といいます。生まれつきのもの(先天性)と、生後に生じたもの(後天性)とがあります。

上顎後退症(じょうがくこうたいしょう)

上顎の骨の成長が悪いために、上顎が陥凹したようにみえます。唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の術後やダウン症候群で多くみられます。下顎の歯列が上顎の歯列に対して前方で噛み合っているのが特徴です。

下顎後退症(かがくこうたいしょう)

下顎の骨の成長が悪く、鳥の横顔のようにみえます(鳥貌ちょうぼう)。顎の関節が外傷や感染などにより傷害された場合(顎関節強直症がくかんせつきょうちょくしょう)によく生じます。

上顎前突症(じょうがくぜんとつしょう)

上顎の骨が異常に発達したため、咬合時に上顎の前歯が下顎の前歯より異常に前の方にあります。これには、単に歯のみが突出している歯性のものと、上顎の骨自体が前突している骨格性のものとがあります。歯性のものでは口を閉じても前歯が口から出ていることが多く、乳幼児期の指しゃぶりや口呼吸などの悪習慣によって生じることが多いといわれています。骨格性のものでは顔の中央部が突出してみえます。

下顎前突症(かがくぜんとつしょう)

下顎の骨が異常に発達したため、咬合時に下顎の前歯が上あごの前歯より前方にあります。反対咬合、俗に「受け口」ともいいます。顔の中央部がやや陥凹し、顔の下半分が長く、横からみると皿様あるいは三日月様にみえます。
この異常は日本人にとくに多くみられます。上顎前突症と同様に、歯性と骨格性のものとに分けられます。
 
以上のほか、咬合時に上下の前歯にすき間を認める開咬症(かいこうしょう)や、下顎骨が左右非対称で、このため顔も非対称となる下顎非対称(かがくひたいしょう)などの異常があります。開咬症では、口を閉鎖できないため口呼吸となり、口腔乾燥症の原因となったり、咀嚼(そしゃく)や発音にも障害をきたします。
これらの病態は組み合わさって生じることもあります(小上顎症+下顎前突症、下顎前突症+下顎非対称など)。

白板症(はくばんしょう)

口腔粘膜、とくに頬粘膜(きょうねんまく)や舌、ときには歯肉にみられる白い角化性の病変で、こすっても剥離(はくり)しないものをいいます。白板症は比較的頻度も高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いため、前がん病変の代表的なものとされています。びらん(粘膜の浅い欠損)をともなうこともあり、ものが当たると痛かったり(接触痛)、食べ物がしみたりします。

【原因】

喫煙やアルコールによる刺激、義歯などによる慢性の機械的刺激や歯科用金属から発生する微弱なガルバニー電流、ビタミンAやBの不足、さらに体質なども関係するといわれています。

紅板症(こうばんしょう)

紅色肥厚症(こうしょくひこうしょう)ともいわれ、舌、歯肉、その他の口腔粘膜に発生します。鮮紅色でビロード状、表面は平滑な病変です。境界は明瞭なものが多くみられます。初発症状として多くの症例で刺激痛が認められます。一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。
紅板症の50%前後が悪性化するといわれています。

口腔カンジダ症

おもにカンジダ・アルビカンスという真菌(しんきん:かび)によっておこる口腔感染症です。急性型と慢性型があります。口腔粘膜の痛みや味覚障害が出ることもあります。

急性型である偽膜性(ぎまくせい)カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。

白苔が認められない萎縮性(いしゅくせい)あるいは紅斑性(こうはんせい)カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性(ひこうせい)カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。

【原因】

カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などにみられる免疫力の低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。

再発性アフタ

アフタは直径数ミリ大の円形の浅い潰瘍で、潰瘍の表面は灰白色~黄白色の偽膜で覆われ、潰瘍の周囲は赤くなっています。食物や歯ブラシなどがちょっと触れただけもズキッとした強い痛みを覚えます。

また刺激性の食物や熱いもの、塩辛いものがしみたりします。
アフタは何もしなくても1~2週間で治ります。アフタが再発を繰り返す場合に再発性アフタといいます。なお、慢性再発性アフタはベーチェット病の一症状として生じることもあります。

【原因】

原因は不明です。機械的刺激、遺伝性、極端な疲労、ストレス、あるいは片寄った栄養摂取などいろいろな要素が絡み合って発症するといわれます。ベーチェット病では遺伝的素因が注目されています。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

皮膚や粘膜にできる角化性で炎症をともなう難治性の病変です。口腔では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。

白い粘膜の角化(かっか)がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。

【原因】

アレルギー、とくに歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、ストレスなどの精神的因子、さらに代謝障害などの関与が考えられていますが、正確な原因は不明です。

口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)

口の中が渇く(口渇といいます)のは、水分の摂取量が少なかったり、急激に多量の水分が失われた時(たとえば激しい運動時)に生じます。
慢性的に水分の摂取量の不足が続く場合は、全身的な疾患や何か重大な障害(たとえば腫瘍による嚥下困難)が考えられます。大量に水分を喪失する場合としては、高熱による多量の発汗や糖尿病による多尿など、原因となる重大な疾患があり、脱水の結果として口渇が生じます。
抗ヒスタミン薬や制酸薬(せいさんやく)、降圧薬(こうあつざい)や向精神薬(こうせいしんやく)の服用でも唾液分泌は少なくなります。
鼻づまりによる口呼吸(こうこきゅう)は口腔粘膜の乾燥を促し、義歯が唾液の分泌を抑制する場合もあります。
また、シェーグレン症候群でも、唾液腺の分泌機能が著しく障害されるために口腔の乾燥(口腔乾燥症)がみられます。この病気では、同時に涙の分泌量も減少し、目の乾燥もみられます。

ヘルペス性口内炎(へるぺすせいこうないえん)

単純性ヘルペスウィルスによる初感染で、一般には無症状の感染(不顕性感染ふけんせいかんせん)ですが、数パーセントが顕性感染(けんせいかんせん)としてヘルペス性口内炎の形をとります。
大半が小児にみられますが、近年では核家族化に伴い大人にもみられます。

【症状】

全身的に発熱や倦怠感(けんたいかん:だるさ)がみられます。口腔粘膜には多数のアフタができ全体に発赤し、特に歯肉の発赤、腫脹、びらんが特徴で口腔内は不潔となり、口臭が強くなります。自発痛や接触痛も強く、噛むこと、飲みこむこと、話すことすら困難になることがあり、顎下リンパ節もはれます。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

子供の時になった水痘のヘルペスウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が、神経の付け根に残っていて、体調が悪いとそれが活性化されて発症します。神経の支配する領域に一致して、発疹が多発します。三叉神経(さんさしんけい)領域の顔面皮膚に多く認めます。広い範囲に帯状に発赤と小水疱(すいほう:水ぶくれ)がでます。
必ず体の右または左側だけブロック状に発生し、全身に拡がることはありません。かなりの痛みを伴い、重症の場合もあるので注意が必要です。

手足口病

コクサッキーA16、あるいはエンテロウイルス71などによる感染で、口腔内の小水疱が破れてアフタ様病変となることに加え、手足の小水疱を特徴とするウイルス感染症です。

ヘルパンギーナ

エンテロウイルス属、流行性のものは特にA群コクサッキーウイルスによる感染で軟口蓋から口峡部に発赤および多数の小水疱を認め、小水疱は破れて小アフタとなります。
ヘルペス性口内炎が口腔の前方に症状を呈すのに対して、これは口腔の後方と咽頭での発症が特徴です。夏に流行しやすく、小児にみられることが多いのですが、まれに大人にも発症します。

歯根嚢胞

むし歯(う蝕)が進行し、歯髄に感染が起こり、それが歯根の尖端に波及すると、根尖性歯周炎が生じます。

それが慢性化すると歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)や歯根嚢胞ができます。

日常臨床でしばしば遭遇するもので、顎骨の中に生じる嚢胞の50%以上を占めます。

含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)

歯の原基(歯を形成したもとのもの)の上皮から生じる嚢胞で、その嚢胞腔内に埋伏歯の歯冠を含んでいます。無症状に経過し、エックス線写真撮影で偶然に発見される場合が多くみられます。

術後性上顎嚢胞(じゅつごせいじょうがくのうほう)

上顎洞炎の手術後、数年から数十年経過後に上顎や頬部に生じる嚢胞です。無症状に経過しますが、頬部の違和感、鼻づまり、鼻汁、感染による顔面腫脹などの症状から発見されます。

粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

口の粘膜を咬んだり、異物が刺さることなどにより、唾液が出てくる管が閉塞して唾液が貯まったり、唾液の出る管が破れて、唾液が漏れだしてその周囲を線維性の薄い組織が取り囲むことにより生じる嚢胞です。口唇や舌下面に多くみられます。なお、舌下腺から分泌された唾液が口底部に貯留して生じる粘液嚢胞をガマ腫といいます。


粘液嚢胞

ガマ腫

類皮嚢胞(るいひのうほう)
・類表皮嚢胞(るいひょうひのうほう)

比較的まれなもので、嚢胞壁が皮膚と同じような組織からなるものをいいます。多くは口底の正中部に発生し、大きくなると顎の下が腫れます。

嚢胞壁に、毛や皮脂腺(ひしせん)、汗腺(かんせん)などの皮膚付属器を含んでいるものを類皮嚢胞といい、単に表皮のみからできているものを類表皮嚢胞といいます。両者とも、胎生期に皮膚のもとが組織内に迷いこむことによって生じたものです。嚢胞にはおから状の内容物を認めます。
大きくなると舌が後方に押され、発音や嚥下を障害することがあります。

細菌性唾液腺炎(さいきんせいだえきせんえん)

唾液の分泌が少ない時に発生しやすい疾患で、口のなかに常在する菌が唾液腺の開口部から侵入して発生するもので、急性のものでは唾液腺に痛みや腫れが生じ、導管(どうかん:唾液が出る管)の開口部から膿(うみ)が出たりします。慢性のものでは唾液腺が硬くなり、唾液の分泌が低下したりします。

ウイルス性唾液腺炎(ういるすせいだえきせんえん)

代表的なものとして流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)、俗に言う「おたふくかぜ」があげられます。ムンプスウイルスの感染によって生じ、一度かかると免疫ができて再感染はしません。
潜伏期は2~3週間で、小児に多いのですが、大人では睾丸炎(こうがんえん)、卵巣炎(らんそうえん)などを併発して、不妊の原因になることがあります。まれに顎下腺におこることもあります。また、片側だけではなく、数日遅れて両側に発症することが多いのも特徴です。

ウイルス性唾液腺炎(ういるすせいだえきせんえん)

代表的なものとして流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)、俗に言う「おたふくかぜ」があげられます。ムンプスウイルスの感染によって生じ、一度かかると免疫ができて再感染はしません。
潜伏期は2~3週間で、小児に多いのですが、大人では睾丸炎(こうがんえん)、卵巣炎(らんそうえん)などを併発して、不妊の原因になることがあります。まれに顎下腺におこることもあります。また、片側だけではなく、数日遅れて両側に発症することが多いのも特徴です。

唾石症(だせきしょう)

唾液腺の中や導管の中に石(唾石)ができることによって生じる病気で、ほとんどは顎下腺に生じます。
唾石は砂粒大の小さなものから数cmに及ぶものまでみられます。唾石の原因は導管の炎症や唾液の停滞、さらに唾液の性状の変化などです。ものを食べようとしたり、あるいは食べている最中に、唾液腺のある顎の下(顎下部)が腫れて(唾腫だしゅ)激しい痛み(唾仙痛だせんつう)がおこり、しばらくすると徐々に症状が消退するのが特徴です。

シェーグレン症候群(しぇーぐれんしょうこうぐん)

口腔乾燥や乾燥性角結膜炎(かんそうせいかくけつまくえん)を主な症状として、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、進行性全身性硬化症(しんこうせいぜんしんせいこうかしょう)や多発性筋炎(たはつせいきんえん)などを合併する全身性の病気です。
耳下腺や顎下腺の炎症により腺が萎縮(いしゅく)するため、強い口腔乾燥とこれに伴う咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、さらに会話や味覚などの障害がおこる病気です。原因は不明ですが、現在では自己免疫疾患と考えられています。

唾液腺腫瘍

唾液腺に生ずる腫瘍は、耳下腺に最も多く、顎下腺および小唾液腺(口腔粘膜下にある唾液腺)がこれにつぎ、舌下腺に生ずることはまれです。小唾液腺や舌下腺に生じた腫瘍は口腔内に症状が出現します。一般に唾液腺に生ずる腫瘍は良性腫瘍が多いのですが、悪性腫瘍の場合もあり、とくに舌下腺に生じたものには悪性が多いことが知られています。

唾液腺の良性腫瘍

唾液腺の良性腫瘍は、一般に境界が明瞭で、徐々に大きくなるため、痛みや神経の麻痺(まひ)が生じないのが特徴です。多形腺腫(たけいせんしゅ)と呼ばれる腫瘍がもっとも多く、ワルチン腫瘍(腺リンパ腫)、基底細胞腺腫(きていさいぼうせんしゅ)やオンコサイトーマなどが認められます。

唾液腺の悪性腫瘍

進行とともに痛みや神経麻痺(しんけいまひ)を認めるのが特徴です。
耳下腺に生じたものでは、耳前部の痛みや顔面神経の麻痺、顎下腺や舌下腺に発生したものでは、舌の痛みや神経の麻痺をおこします。一般に高齢者に多く、多形腺腫由来癌(たけいせんしゅゆらいがん)、腺癌(せんがん)、腺様嚢胞癌(せんようのうほうがん)、粘表皮癌(ねんひょうひがん)、腺房細胞癌(せんぼうさいぼうがん)と呼ばれるものが代表的なものです。

その他

  • 口の粘膜などに発生した腫瘍等が気になる方は当院で病巣を採取し、当院の提携病院の東海大学医学部口腔外科又は国立がんセンター等で病理検査を行い、検査の結果を当院で説明します。
  • お薬を沢山服用されている患者様は、ご相談ください。全身管理のもと、安心して歯科治療が可能です。
  • 全身管理下での親知らずの抜歯やインプラントなどの外来手術も可能です。
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