経鼻内視鏡

苦痛の少ない鼻からの内視鏡で少しでも早く病気の発見を!

現在でもがん死亡者の中で、食道・胃・大腸などの消化管がんは、まだ三分の一を占めています。
現在の医学では早期がんなら治る確率が高く、中でも初期のがんであれば、開腹手術ではなく内視鏡治療で治すことができます。

私が以前勤務していた佐賀大学附属病院、佐賀県医療センター好生館には、県内外から患者さまがお見えになっており、私もたくさんの患者さまを診させていただきました。患者さまの中には、もう少し早く内視鏡検査を受けていたら開腹手術を受けなくてもすんだのではないかという方もいらっしゃいました。

早期発見を増やすには少しでも多くの方に定期的に胃の検査を受けていただくことが重要ですが、「胃カメラは苦しいからいや!」という理由で敬遠していらっしゃる患者さまが多いのが現実です。

私は少しでも苦痛の少ない検査法はないかと考えてきましたが、学会で経鼻内視鏡が紹介された時に、この検査方法なら患者さまが楽に受けることができると確信しました。

当院では患者さまのご病気を少しでも早期のうちに発見し、適確な治療法を紹介することを目指しています。

経鼻内視鏡とは

鼻から入れる経鼻内視鏡は、経口内視鏡より苦痛が少ないのが特徴です。

  • 鼻から入れると「オエッ」となる舌の根元に触れません。
  • 内視鏡が口を通らないため検査中は自由に会話ができます。
    経鼻内視鏡
  • 経鼻内視鏡の先端は4.9ミリと経口内視鏡(9.8ミリ)の半分です。断面積では4分の1と細く、食道入口部も入りやすく反射が少なくてすみます。
    経鼻内視鏡2

鼻からの内視鏡検査の流れ

夕食は軽めに摂り、21時以降の飲食(水を除く)は避け、早めの就寝を心掛けましょう。

飲食、喫煙、薬の摂取は避けてください。

常用薬を服用されている方は、事前に医師にご相談ください。
特に血液がサラサラになる薬は、中止していただくことがありますので事前にご相談ください。

経鼻内視鏡と経口内視鏡の違いについて十分な説明をします。

経口内視鏡も可能ですので、ご希望の方はお申し出下さい。

胃の中をきれいにするため、白い液体の薬(消泡剤)を飲みます。
鼻の痛みや出血を予防するため、鼻の中に麻酔をします。

医師がモニターに映るおなかの中をすみずみまで観察します。
検査時間は5~15分程度です。

検査中は患者さま専用のモニターで、同時に検査内容を見ることができます。

必要な場合は、組織を採る精密検査も可能です。

検査が終わったら、すぐにファイリングシステムで画像を見ながら結果を説明します。
気分や体調がすぐれないときは、すぐに医師に伝えましょう。